美容師のシャンプーは、気持ちよさだけではなく、髪や頭皮をダメージから守りながらやさしく洗うためのテクニックが詰まっています。そのポイントは、シャンプー前のひと手間にありました。
今回は、人気美容室「joemi by Un ami(ジョエミバイアンアミ)」のスタイリスト、高垣紅葉さんに今日からできるシャンプー前のコツを教えていただきました。
洗髪時、さっと髪を濡らして、すぐにシャンプー剤をつけてしまう。シャンプーの泡立ちが悪いときは、シャンプー剤を変えることで解決する。
こんな方、結構いらっしゃいます。でも実は、シャンプー前にひと手間かけることで、泡立ちよく、髪と頭皮に負担をかけないシャンプーができるんですよ。
理想のしっとりツヤ髪を叶えるためには、シャンプー前の正しいブラッシングとしっかりした予洗いがポイントです。
髪が肩につく長さの方は、目の粗いコームを使って、シャンプー前にブラッシングを行うところからスタートしてみましょう。
いきなり髪の根元からとかしてしまうと絡まりの原因になるので、毛先から根元へと少しずつといていくのがおすすめです。シャンプー前にブラッシングをしてあげることで、髪の絡まりをほぐすだけでなく、付着したほこりや汚れも落とすことができます。
シャンプー前に予洗いをしっかりしてあげると、泡立ちが良くなります。お湯で落ちる汚れは予洗いで落とすことで、シャンプー剤の過度な使用も防げます。
予洗いのポイントは約2~3分を目安に、髪や頭皮を「濡らす」のではなく手を使って「洗う」こと。
また、お湯の温度が高過ぎると、頭皮の油分を取り過ぎてしまったり、ヘアカラーの退色の原因になったりします。温度は40℃以下を目安にぬるめのお湯で皮脂や汚れを浮かせながら洗い流すと、少量のシャンプー剤で髪に負担をかけず洗浄ができますよ。
予洗いの後はシャンプー剤をつけて洗っていきます。ここで大切なのは、しっかり泡立てて「泡」で「頭皮」を洗うこと。シャンプー剤を原液のままつけてしまうと、頭皮に直接シャンプー剤が付着して、頭皮の毛穴が詰まる原因になってしまいます。シャンプー剤は、手の上で原液を伸ばして泡立て、水分を含ませてから髪に塗布するのが基本です。
しっかり予洗いをしていれば、適量のシャンプー剤でもしっかり泡立つと思いますが、泡立てが苦手な方は、洗顔で使う泡立てネットを使って、泡立ててから髪に塗布して洗うのもおすすめですよ。
毛先は、頭皮を洗っているうちに泡が流れてくるので、軽くシャンプー剤をもみ込む程度で、ガシガシと洗う必要はありません。あくまでも「髪を洗う」より「頭皮の汚れをオフする」意識でシャンプーするのが理想ですね。
シャンプー剤を選ぶ基準としては、洗浄成分がマイルドなものがおすすめです。
洗浄成分が強かったり、過剰に泡立て成分が入っていたりするシャンプー剤を使ってしまうと、汚れだけでなくカラーやトリートメントが落ちる原因にもなります。洗浄成分の強いシャンプー剤を選ぶよりも、しつこいようですが、予洗いで余分な汚れをしっかり落とすのが重要なんです。
あとは、髪の太さやボリュームの出やすさなど、髪質に合うものを選ぶといいですね。
外出をしない日は、必ずしもシャンプーをしなくても大丈夫。お家にいる日はスタイリング剤をつけない方が多いですよね。お家の中にいると、外に比べて汚れも髪に付着しづらいです。
特に最近は、リモートワークなどが増え、自宅で仕事をしている方も多いかと思います。シャンプーは、髪の汚れが落とせる一方で過度な乾燥の原因にもなるので、外出をしていない日は、シャンプーをしなくてもいいでしょう。
予洗いの工程は、毎日した方がいいです。皮脂は、頭皮から毎日分泌されているので、お湯で頭皮の汚れを落としましょう。お湯で洗った後は、シャンプーをした日と同様にトリートメントやコンディショナーなどを毛先に塗って、乾燥を防ぐようにしてくださいね。
シャンプー後のトリートメントやコンディショナーは、それぞれ目的が異なります。トリートメントは髪の内部補修を目的としたもの、コンディショナーやリンスは、髪の表面を滑らかにしてくれるものです。
普段はコンディショナーやリンスを使っている人も、週に1回の集中ダメージケアとして、トリートメントを取り入れるのがおすすめです。
ブリーチなどをしていて髪のダメージが気になる方は、トリートメントを週に2回行うなど、頻度を増やしてあげるといいですよ。
トリートメントを塗布した後に時間を置く理由は、補修成分を内部にしっかり届けるため。内部へ浸透させるために約3~5分置くのがおすすめです。また、トリートメントを塗布した後のブラッシングも浸透を助けてくれます。
普段行うコンディショナーやリンスは、髪の表面を滑らかにするのが目的なので、約1分置けば十分です。
週1のトリートメントを行うときは、ホットタオルも一緒に使うのがおすすめです。お風呂場でお湯で濡らしたタオルを絞って髪に巻くだけでも効果的。美容室でトリートメントをするときに使用するスチーマーのような役割になってくれるんです。髪を温めることでキューティクルが開いて、トリートメントの浸透率を上げてくれます。
ホットタオルが面倒な場合は、髪にトリートメントを塗布してからお風呂に浸かり、お風呂の蒸気でキューティクルを開いてあげるのもおすすめです。週末のバスタイムに試してみてください。
シャンプー前に汚れをきちんと落としてあげることで、少量のシャンプー剤でもしっかり洗えます。シャンプーでカラーやパーマ、トリートメントの持ちも変わるので、ぜひ予洗いをホームケアに取り入れてみてくださいね。
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内側しっとり・表面さらさら。使うほどにうるおい蘇る。
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実は、髪って「えりあしの上」に密度が集中してるんです
髪は、後頭部からえりあしにかけて少し凹んだあたりに密度が集中しています。そのため、予洗いをするときは、後ろ側にもお湯がしっかり行き渡るように注意しながら、頭頂部だけでなく全体をしっかりと洗い流すのがおすすめです。