ドライの工程は、髪を乾かすためのものと思っていませんか?実はドライからスタイリングが始まっているんです。ドライの仕方によっては、知らず知らずのうちに髪にダメージを与えてしまうことも。理想のしっとりヘアをつくるドライテクニックのコツを、人気美容室「Un ami Kichijoji(アンアミ キチジョウジ)」スタイリストの岸直美さんに教えていただきました。
タオルドライをするとき、なんとなく頭全体を拭いていませんか?濡れている髪は、キューティクルが開いているので、通常の乾いているときよりも髪が弱い状態です。
そのため、摩擦が起きないようにタオルドライしないと、切れ毛や枝毛といった髪のダメージの原因になってしまいます。
タオルドライは、まず頭皮を揉むように、頭皮に付着した水分をタオルに染み込ませるイメージで行いましょう。ゴシゴシこすって拭いてしまうと、髪が摩擦によりダメージを受ける原因になります。
毛先は、髪を両手で挟んで押さえるように水分を取るのがポイント。できるだけ毛先に水分が残らないところまで拭いてあげるのがおすすめです。
髪が長かったり多かったりする方は、髪を挟んでも押さえるように拭いても、なかなか水分が取りきれないことがあります。
その場合には、タオルで髪を包んで、雑巾を絞るようにひねって毛先の水分を取ってあげましょう。そうすることで、摩擦による髪のダメージを防ぎながら、しっかり水分を取ることができます。
タオルドライの目安としては、水滴が落ちず、手がびしょびしょに濡れていない程度まで水分を取ること。タオルドライをしっかりするとドライヤーの時間が短くなり、熱によるダメージも軽減できます。
タオルドライをした後は、目が粗いコームを使って絡まりをほぐしクセを直しておきます。毛流れがぐちゃぐちゃのまま乾かしたら、乾かした後の仕上がりが整うわけがないですよね。このコーミングのステップを省いてしまう人も多いと思いますが、確実に仕上がりに差がつく工程なので、面倒くさがらずに取り入れていただきたいです。
コーミングで毛流れを整えたら、毛先にアウトバストリートメントをしっかりつけてから乾かします。毛先はどうしても風が当たりやすく、オーバードライになりがち。結果的にパサついたりダメージが起きやすくなってしまうので、トリートメントでしっかり保護しましょう。ドライヤーの熱によるダメージを防いでくれる効果もあります。
正しくドライヤーを使って乾かすと、ダメージを抑えるだけでなく、スタイリングがグンと楽になります。特にクセが出やすい方は、ドライヤーで全体のクセを整えてあげることにより、スタイリングを行う手間が省けます。
ドライヤーの段階で、スタイリングは半分終わっていると言ってもいいくらいです。
ドライヤーをするときは、まずクセのつきやすい前髪から乾かすことがポイント。前髪は、全体に比べて髪の量が少なく乾きやすいので、放置してしまうとすぐにクセがついてしまいます。一度ついたクセは濡らさないと直りません。前髪の根元をしっかり左右に振るようにしながらクセを取って、整えてあげましょう。
前髪が乾いたら、次は頭皮を乾かしましょう。根元をきちんと乾かしてから毛先を乾かす。この順序を守ることで毛先のオーバードライを防ぎしっとりとした仕上がりにつながります。また、髪が割れたり、毛先がハネたりといったクセも、原因は根元にあることがほとんどなので、根元を早く乾かすことは、きれいなシルエットをつくるためにも大事なんです。イメージとしては、頭皮のひんやり感がなくなるまで、しっかり頭皮を乾かすのがポイントです。
髪を乾かすと、右だけがハネてしまうことはありませんか?実は、つむじの流れにハネる原因があるんです。8~9割の人は、つむじが時計回り。そのため、どうしても右側がハネやすくなります。根元を乾かすときに気をつけてほしい、髪のハネを防げるコツを紹介します。
まずハネやすい方の髪を持ち上げて、根元に下からドライヤーの風を当てます。
次に、持ち上げた毛束に、後ろから前に向かって風を当てることで、根元からクセを収められます。片側のハネが気になる方は、ぜひドライヤーのかけ方を気をつけてみてくださいね!
頭皮がしっかり乾いたら、中間から毛先をハンドドライで約7~8割乾かします。そして、ここから先はブラシを入れるのがポイント。ドライヤーの風を当てながら、内側からブラシを入れることで全体のシルエットが整い、毛先がまとまるだけでなく、髪全体のツヤがアップします。内側からブラシを入れるのが難しければ、外側からブラッシングするだけでも効果がありますよ。
クセが強い方はもう少し早めに、約6割乾いたところでブラシを入れてあげるのがおすすめ。髪質によってブラシを入れるタイミングを変えてみてください。
ドライヤーの仕上げには、上から下に向かって冷風を当てましょう。髪を冷やすとキューティクルがキュッと引き締まって、ツヤが生まれます。冷風機能をあまり使っていない方も多いと思いますが、ツヤを出したい方みんなに取り入れてほしいテクニックですね。
ドライヤーの使い方をマスターするだけで、髪のダメージ防止はもちろん、スタイリングの手間も省けます!ドライヤーは毎日のことなので、手順や当て方をきちんと守ることで、髪の仕上がりや状態が変わってきます。特に、クセが強い方は、ドライヤーの向きを変えるだけで、ドライ・スタイリングどちらも時間短縮ができますよ。仕上げの冷風でツヤも出せるので、ぜひトライしてみてくださいね。
リファヘアドライタオル ReFa HAIR DRY TOWEL 洗髪後のタオルドライで髪は驚くほど変わる
アウトバストリートメントの選び方
アウトバストリートメントは、髪質に合わせてチョイスしてあげるといいでしょう。軟毛の方にはヘアミルク、髪がしっかりしている方はヘアオイルを選ぶのがおすすめです。
また軟毛でも、髪が乾燥していたり、傷んだりしていると、ヘアミルクでは心もとないと感じることもありますよね。その場合は、ドライヤーのときにヘアオイルを使用し、寝る前にヘアミルクを使うことをおすすめします。
水分と油分のバランスがいいヘアミルクは、寝ている間に髪にうるおいを与えてくれるので、起きたときにもしっとり感が持続しますよ。